Palu中部スラウェシ州立博物館の落下陶磁器回収
パルには11月16日(金)から21日(水)までの6日間入った。ジャカルタからの同行者は、オーストラリアで絵画修復を学んでいるインドネシア人男子学生1名だ。
州立博物館の陶磁器は中核コレクションで、6割ほどが地震で棚から落下し破損したと推定されている。今回は、床に落下した陶磁器類を、落下散乱位置を区域ごとに明示し、写真で現状を記録撮影してから、今後の修復に望ましい回収方法を考え、事前にインドネシア語に訳した回収作業マニュアルを使って、なるべく個単位でプラ袋に収納し、不注意で災害後に破損したりしないようにオリコンに回収した。回収作業は、金、土、日の3日間をフルに使って実施された。
この後は、登録台帳と一点ずつ収蔵品を照合し、破損状態も短く付記しておき、来年1,2月頃から予定される修復作業に備えて保管しておくこととなる。
今回は、日本からの応急作業資材として、ホビー用チリ取りセット8組。90Lプラ袋10枚、70L透明プラ袋50枚、45L透明プラ袋50枚。ジップロック袋2種各50枚。各種荷札200枚。タコ糸2巻。カラー布ガムテープ5本、赤黒中細マジックインキ各3本。布手袋20組。マスク20枚。使い捨て手袋30枚。手術用キャップ20枚。などを1ボックスを携行。ジャカルタでオリコン15個を調達し携行。透明チャック付きプラ袋が不足しパルで購入。オリコンも不足し応急的に農作業用プラボックスを現地購入した。
前回訪問から約1ヶ月が経ち、空港から州立博物館へ向かう道沿いや中心部の店舗はかなり営業を再開していた。ホテルはまだ再開は聞かないが、小さなLosmen安宿は何軒か営業を始めていた。電気は建物が残った地域では、ほぼ復旧していたが、電力量が不足の様で、数時間ずつ地域毎に計画停電を実施している、とのことであった。水道の復旧は部分的で、各地で復旧の目途が立っていないようだ。
海岸沿いの津波被災地域は、被害状況と被災者の様子が把握しやすいが、山間部の奥の方などは、取材対象にもなりにくいことから、忘れられ或いは埋もれていき、支援の手も届きにくいと思われた。何万人の人々が、家を失い、応急的なテントや建設がボチボチ始まった仮設住宅に住んでいるのだろう? <下の画像はDongala県, Kola Kolaで>