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首里城火災の科学的な原因究明を再建のスタートに!!

再び問う!!世界遺産「首里城」は何故燃えたのか?

  沖縄の主要メディアである「琉球新報」「沖縄タイム」両社は、首里城火災の徹底した原因究明を求める『社説』を何度か掲載していた。
  記憶にあるものだけでも、沖縄タイムス「<首里城再建>検証作業が欠かせない」(11月3日付)琉球新報「首里城火災捜査終了 原因究明終わりではない」(1月31日付)、「首里城火災原因不明 管理責任の問題消えない」(3月8日付)という強い内容の記事であった。
  多くの県民や世界遺産「首里城」を知る方々は、衝撃的な火災の映像を眼にし、職人らの総力を30年も費やして、やっと2019年2月に完成したばかりの琉球王朝の首里城が、ほぼ全焼したことが信じられず、惜しみ、「何故、燃えたのか?」知りたいと願った。
  改めて説明するまでもないが、今回の首里城火災は、外からの放火や落雷のような自然災害に拠るものではなく、内からのヒューマン・エラーによる火災であった。
  1月29日の沖縄県警察による、火災において法的責任を問える原因は見つからなかった、という発表、そして3月6日の那覇市消防局の出火原因分からず、という発表は、遠き外国から見ていると、決め手となる物証が、火勢が激しくてみつからなかった事からヒューマン・エラーの領域には踏み込まず、実に寛大な対応であったように思える。沖縄県や美ら海財団の甘い管理体制を結果的に擁護してしまうような警察と消防の終了発表だと感じた。

  改めて、遠きインドネシアからではあるが、ネットや沖縄地元の方々から届いた情報を、よーく見直すと小さな小さな「奇妙な点」が目に留まる。沖縄や内地に居ると眼に止まらないのかもしれないし、逆にインドネシアの熱帯の気候にボーとして錯誤した幻想なのかもしれない。 いずれにしても、なぜ首里城は燃えたのか、を知るためにも「小さな小さな奇妙な点」を拾いだし、先端科学技術を駆使してでも、究明し、その結果を後世のために広く公開すべきだと考える。
  インドネシアで気になった小さな小さな「奇妙な点」を以下に列記して、地元紙の『社説』の主張を促進できるよう、各方面の方々の叡智を期待したい。

小さな小さな出火前後の奇妙な点:

1.監視カメラ映像(8分ほどの部分映像はhttps://www.okinawatimes.co.jp/article

  s/-/539790で見られる)の最初の異常事象として記録された「閃光」の正体は何だっ

  たのか? 

  科学的な光源の分析や正確な閃光の位置について究明し、結果を説明する必要性   

  がある。閃光は、今回の火災と無関係だったのか、 あるいは?

2.なぜ火災報知機が作動する約6分前にセコムの人感センサーが作動したのか? 

  1階に10カ所設置された、どのセンサーが作動したのか? そして人感センサーは

   火災の熱に反応したのか?

   ネット情報では、人感センサーの作動は閃光の約4分後。

3.閃光を記録した監視カメラ電源が、発光の約7分後に何故落ちてしまったのか? 

  原因は?

4.沖縄総合事務所の資料では、正殿には「熱感知器12階」「煙感知器23階」に設置

  とある。火災発生時にそれらは、どのタイミングでどのように作動したのだろうか? 

  結果として、全く役に立たず、初期消火にプラスにならなかったのか?

.首里城をあらゆる災害から守るべき責任があるはずの管理者側は、域内全部の建 

  物と全設備を盛り込んだ防災計画や消火訓練を行ったはずだが、実は、全く科学的

  根拠やシュミレーションに基づいていない絵空事の内容だったのか? 

 -施設内設置全消火設備と防火水槽の容積、および想定稼働時間について。

 -夜間の火災は想定していないとの回答であるが、管理者側の想定した火災

  や災害の様相とは? <作成済みの防災計画、実施運用計画などとの照合

  必要>

管理者側において、沖縄の大切な文化財・珠玉の伝統工芸品を預かり保管

  する責任を認識していると言うのであれば、実質的な防災管理責任者は誰であり、

  どのような専門性を要件としていたのか?

 -例えば、貴重資料保管用の耐火収蔵庫を設置する際に、県立博物館等の貴重資料   

  収蔵庫のエリアは、消火設備や防火扉も付随して設計されているのに、首里城耐火

  収蔵庫のエリアには、耐火庫を補完する消火設備を設けなかった理由は?

-20192月の正殿の配電盤を改造し、24時間通電で延長コードを差し放しにする電

工事の発注はどの部署で起案し、決済プロセスはいかなるものであったか?

7.Youtubeでは、20171222日の朝5から首里城で行った消防訓練の情景が
  アップされており、火災が発生しても十分対応可能と判断したのであろう。何も
  問題 点は指摘されなかったようで、火災当日の2019年10月31日を迎えた。
    だが、実際に発生した火災においては、鎮火までに11時間も要し、正殿な
  ど主要建物と域内に保管されていた400点余の文化遺産は焼失してしまった。
    火勢を激しくした要因に、正殿などの建物外装に塗られた漆と桐油の混合液
  が火勢を強めたとする見解も消防関係者などから出されていた。首里城再建検討
  委員会の委員の方からは、その見解を否定する意見が出されている。意見を自由
  に述べることは望ましいが、委員の立場としては科学的な実証実験データがこれ
  までに存在しているのか明示されることが不可欠だ。
    やはり再建に際して、気になる不安材料には、国際的にも通用する科学的な
  実証実験データをきちっと示すか、予算をとって再建計画に含めて実施するの
  が、不幸にも火災が起こってしまった失敗から学ぶべき事と考える。

以上、7点について遠きインドネシアにおいて書きだしていた。おそらく、これよりももっと多くの不可解な点や疑問を感じておられる方々がおられることと思う。それらの不可解な点や疑問を集めて、『社説』の提起を具現化していく行動のうねりが広がることを期待する。
  沖縄県庁内に2月25日設置の「首里城火災に係る再発防止検討委員会」(委員長阿波連光弁護士)が出来たが、周囲からドンドン不可解な点などについて疑問をぶつけ、活性化していかなければ、国際的に承服できるような出火原因および激しい延焼のメカニズムは解明できないであろう。再建される首里城を真に守っていけるのは、高額な防災設備や機器頼みではなく、「地元の首里城を愛し守っていこうと願う人(人々)」だと信じる故に、火災の原因究明を曖昧に終わらせてはならない。

by PHILIA-kyoto | 2020-04-11 16:44 | 危機管理と災害  

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