メキシコ編

メソ・アメリカの遺跡から見つかる樹皮紙

  メキシコの遺跡で見つかっている石器ビーターの紹介が、メキシコ現地調査のため中断したが掲載を再開するにあたり、この機に珍しい前スペイン期の樹皮紙の素顔を画像で紹介しておこう。

  中南米の遺跡から樹皮紙が時々出土するが、有機物のため発見後すぐに保存処理を行うことが必要だが、現実には残存事例は非常に少ない。
  左側が、メキシコ・シティの中央広場ソカロ横のテンプロ・マヨール遺跡の埋葬品として見つかった樹皮紙、右側はスペイン人征服者コルテス文書の中に含まれ1531年に作成されたCodex Huexotzincoの中に綴じられていた樹皮紙文書のそれぞれ一部分の透過光画像だ。

  この画像を見ると、両方の樹皮紙共にビーターの刻面の筋目跡beater markが鮮明に樹皮紙に残っているのが観察でき、アステカ時代の樹皮紙の製作技術は予想を越えてかなりハイレベルで、「和紙」と同質程度とみなされかなり高く、今日メキシコで土産物用に売られるサン・パブリトのアマテ樹皮紙とは全く製作技法や樹種が異なることが明らかとなる。

  有名なマヤ・コデックスであるドレスデン、パリ、マドリッドの3冊の樹皮紙文書の素材品質は、透過光画像で見る限りは、今回紹介する2点よりは製作レベルが若干低いようである。おそらく、どの時代の紙もそうだが、用途により樹皮紙の品質の決り事があったのではなかろうか。

f0148999_14442940.jpgf0148999_14454366.jpg
[PR]

by PHILIA-kyoto | 2009-04-19 15:20 | 樹皮紙 紀行  

<< メキシコ編 メキシコ編 >>