Lean leang洞窟壁画(ステンシル手形)

洞窟壁画の奥深さ

f0148999_10144180.jpgf0148999_1015268.jpg












  インドネシア・スラウェシ島マロスのレアン・レアン(Lean leang)洞窟壁画<画像左側>は今から5000年ほど前のものとされ、損傷も目立ち、暗闇の中で鮮明には見えないが、「手形」の微妙な表現技法が深く印象に残っていた。
  洞窟で見たときは、先史時代の壁画に、現代のスプレーガンでペイントするような吹きつけ描画技法が使われているなど想像もしなかった。

  その後、2550年ほど前のアルゼンチンのクエバ・デ・ラス・マノス(Cueva de las Manos)洞窟壁画<画像右側>の「手形」が、骨製のパイプを使って「吹きつけステンシル画法」で描かれていることを知った。スラウェシのレアン・レアン洞窟壁画の微妙な濃淡をもつ「手形」も、同様の技法であることが分かったのは大きな収穫だった。
 
  さらに、今から25000年ほど前とされるフランスのペシュメルル(Pech Merle)洞窟壁画にも、吹きつけステンシル画法と思われる技法で描かれた、世界最古とされる「手形」が残っていることをwebで知った。
  古代人のクリエイティブで奥深い発想、チャレンジ能力には驚かされる。

  古代世界の時空を超えて見られる、類似した発想や“ウリふたつ”と驚く事例も、人類の共通する秘められた能力によるものなのだろう。複数の情報や根拠に基づきゆっくりと判断すべき慎重さを忘れ、ピンポイントで即座に物事を見てしまう傾向に注意を促す機会となった。
  

by PHILIA-kyoto | 2009-07-01 10:32 | オーストロネシアン研究  

<< 古代人のアーカイブズ 樹皮布と樹皮紙の世界各地への伝播 >>