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「透かしWater-mark 技法」を発明したオーストロネシアン

新石器時代に存在した「透かしWater-mark」技法

  オーストロネシアンと樹皮布.樹皮紙(Beaten Bark)の調査研究も9年となり、各国研究者の応援もあって基盤となる技術や道具については明らかになってきた。その中で、一番の驚きは、なぜ灯りの乏しかった新石器時代の生活の中で、明かりで透過しないと視認できなかった「透かしWater-mark」という超高度な発明をしたのだろうか? という点だった。

  閲覧されている方々も、現代のお札を引っ張り出して、偽造防止に使われる「透かしWater-mark」を観察して下さい。光にかざさないと(透過)させないと見えませんよね…。夜でも昼でも認識できるアクセサリーやブレスレットなら理解できますが、光にかざさないと認識できない、形がとらえられない、非常に抽象的な技術を何の必要性があって発明し、それも執拗に大切にして、ドンドン高度化させたのか? 
  どうも、石器ビータに刻まtれた透かし模様には「大事な意味」があったように思える。単なる道具を美しく飾る装飾ではなく、透かし模様自体に大事な役目があったのではなかろうか。

  最近の発掘事例で、科学的に推定年代が分かっている「珠江デルタの透かし模様の石器ビータ」は、今から約4,000年前とされる。この珠江デルタ地帯は、石器ビータの出土例が多いようで、現在最古とされる石器ビータは6.800年前頃とされる。
  まずは、世界3カ所で見つかった「透かしWater-mark」を樹皮布/樹皮紙に加工する石器ビータの紋様を、ゆっくり観察していただき、発明の謎を考えていただければと思う。

1.中国・珠江デルタ地域 1点 (科学的出土遺物年代測定では、約4,000年前のもの)
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2.中南米 メキシコ 7点 (マヤ・アステカ期、マヤ絵文字の刻まれた8c頃の石器ビータ含む)
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<メキシコとハワイの透かしwater-markには、似た模様・パターンがある>
  左の画像の透かし模様など、メキシコの石器ビータの「透かしwater-mark模様」に時々見かけ
るものだが、どういう訳か「ハワイの樹皮布Kapaに加工された透かしwater-mark模様」と非常に似
ている。ハワイの樹皮布に透かしwater-markを加工する道具が、すべて4角面のバトン型木製ビータで
あるために、この画像一覧から除外した。
  ハワイのKapaに加工された「透かしwater-mark」模様は、ビショップ博物館の調査では300
種類以上とされ、個々の模様・パターンにはそれぞれ固有の名称がつけられていた。品質も、時には
シルクの極薄スカーフと見紛うほど素晴らしいものがあったハワイのKapa。 そこに残された透かし
water-markについては、後日書くつもりである。







3.インドネシア・中部スラウェシ(Napu Valley, Bada Valley, Besoa Valley) 5点

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    中部スラウェシの透かし模様の石器ビータの科学的年代測定は行われていない。
 中部スラウェシのユニークさは、世界で唯一、約3,500-4,000年頃の遺跡から出土
 した多数の石器ビータと同じ形の石器ビータのセットを、現在の職人らも使い続けている点であ
 る。 文化人類学者は「生きた化石」の地と呼ぶ。



by PHILIA-kyoto | 2017-02-26 22:12 | オーストロネシアン研究  

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