Palu被災現地レポート2018 ⑫

被災地パル州立博物館にて

  雨季がすでに始まったものの、30分も日差しの下を歩いていると汗が吹き出し、頭から思考能力が失われていく。日陰でも手元の温度計を見ると35℃あるが、風の通る日陰に座っていると快適だ。州立博物館の敷地は広く、快適に涼める場所が何カ所かある。
  毎日博物館に通っていると、3-40人居るスタッフは、昨日は日本人がどこを訪ね、何をしていたか、早や耳で知っているようだ。時には話しかけてきたり、驚くような情報を持ってきてくれる場面も増えてきた。
  博物館副館長の影響が大きいのだろうが、潜在的能力を有するスタッフも居て、彼らの話を聞いていると、驚くこともある。
  今回のパル災害で一気に注目されることになった「液状化Likuifaksi」だが、専門家でも想定しておらず、誰も予期していなかった災害と思っていた。
  Balaroa,Petobo, Jono Oge, Sibalaya の4地域で数千人を生き埋めにしてしまったとされる。
 だが、彼らの情報では2012年に以下の画像のように「液状化Likuifaksi」現象の起こる可能性について、古地図を使って液状化の起こるメカニズムを論文として発表していた、というのだ。6年も前に、既に液状化を専門的に調査研究してきた方がおられたとは。
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  そのうち、一冊の青い表紙の本を持ってきてくれたスタッフが、地震の前日に、パル湾の津波と活断層を研究をしているAbdullahさんが、パルにある国立タドラコ大学で、活断層の歪みについて講演していた…と、驚きの証言。<Abudullahさんの2017年12月に出版された本の表紙画像>
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  中部スラウェシの街Paluには、災害分野でも研究熱心な方々が多々おられるようだ。
  向こうの木陰では、災害現象と民間説話や神話について、語り合う地元紙の男性記者らが
数人で話していた。

  来年2019年早々に、パル博物館の副館長と地元紙Radarの若手記者を、UNESCO本部の資金で神戸・東北に招請することが決まっている。共通する災害に見舞われる日本とインドネシアの様々の専門分野の方々が、蓄積してきた経験や情報のシェアを始めていくと、互いに新たな発見や展開が期待できるかもしれない。   

by PHILIA-kyoto | 2018-12-17 00:54 | 中部スラウェシ地震・津波・液状化災害20  

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