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樹皮紙Beaten Bark Paper紀行 ⑩

ハワイの樹皮布(TAPA)

 人類で初めて「大海原」に漕ぎ出していったオーストロネシア語族(Austronesian)の人々。

 今もハワイに残る樹皮布(Tapa)のことに短く言及しておこう。これまで見てきた、美しい、高度な技術で作られたインドネシアやメソ・アメリカの樹皮紙の、さらに数倍高度な技術を駆使した品々がBishop Museumに納められている。
(残念ながら、ハワイの高度な古代からのタパ製作技術は100年ほど前に途絶えたとされる。)
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 見せていただいた百枚以上の樹皮布にはすべて、注目している「透かし技法(water-mark)加工」がなされていた。そのパターンは300種類以上もの文様の異なる道具を使って作成されることから、実に多種多様で繊細である。


 「透かし技法」の加工用と思われる道具が見つかっているのは、現時点ではスラウェシ、ハワイ、メソ・アメリカの3箇所。すべて新石器時代の頃から、海に漕ぎ出していったオーストロネシアンに関わる地域である。

 間もなく、合同試行調査が行われるスラウェシの秘境で、何が見つかるだろうか?

 ハワイの大海原を見ながら、数千キロの航海を成し遂げた古代人について、そして源流にあるインドネシアSulawesi島に思いを馳せていた。
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by PHILIA-kyoto | 2008-07-11 08:52 | 樹皮紙 紀行  

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