スラウェシ探訪記(速報版) ③

美しく、悲しい街Poso

  1700kmの車での調査の基点となった中部スラウェシのPaluから、調査地のLore Lindu国立公園の東南側Bada地域に行く時には、203kmほどでPosoの街を通過する。

  スラウェシ島で景色というか、雰囲気が首都ジャカルタのあるジャワ島などとかなり異なるのは、自然風土的なものもあるが、至る所に立派な「教会堂」が目に付くことだろう。

  ナマズ料理で有名な店Lele Rumbでナマズを食べ、走り出してすぐに1970年代に強制移住させられたヒンズー教徒の村々を両サイドに見ることができた。
  そして通過したPosoの街は、かって報道されたようにf0148999_1111194.jpg1998年から2002年にかけて外部の熱狂的集団の影響を受け、イスラム教徒とキリスト教徒の住民抗争が激化し、家の焼き討ち、虐殺が行われ、1000人以上が殺害されたとされる所だが真相は不明のようである。

  立派な教会やモスクが街のあちこちに建ち、海に面した風光明媚なこの街で、あのような残忍な光景が繰り広げられたことが異様で不思議であった。

  通過した通り沿いに今も焼け落ちた家々を20軒以上目にし、特に、隣同士にイスラム教徒とキリスト教徒の家が隣接していた場合に、偶々、どちらかの住民勢力が強かった地区では、どちらかの宗教の住民の家のみが焼き討ちに遭い、虐殺が行われることとなった。
  そのような、焼け落ちた家の横で今も暮らす人々の気持ちは、どのようなものだろうか?抗争前は、互いに仲のよい隣人同士であったものが、一瞬にして修羅場に変わり、焼く側、焼かれる側、殺す側、殺される側に引き裂かれる。

  焼け落ち放置された家の裏に広がる美しい南の真っ青な海を見ながら、現代に生きる人間の深部を、闇を見た思いがした。そして、これは決して他人事ではない。 
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by PHILIA-kyoto | 2008-08-21 11:15 | スラウェシ探訪記(速報版)  

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