カテゴリ:カジノキ(クワ科)雑記( 2 )

 

東北にクワ科のカジノキを探して

コウゾ、ヒメコウゾ、カジノキ探訪記(東北編Part 1)

   雪深い東北にいくつかある和紙の里で栽培されているコウゾ等について、多少の情報があった。だが、それ以外の地については、植物図鑑やWEB情報でも、どれほどのコウゾやヒメコウゾあるいはカジノキが自生しているのかよくわからなかった。

  2012秋-2013年夏にかけて東北被災地を訪ねた合間に、一関~宮古~岩泉~盛岡地域の山野に生える、いずれもクワ科のコウゾ、ヒメコウゾ、そしてカジノキかもしれないと期待される木々を宮古在住のKさんの案内で見て廻った。
  
  今回見て廻って驚いたことは、寒い東北地域の山野に「非常に伸び伸びと旺盛に群生するコウゾ、ヒメコウゾ」が生育していることであった。

   その中で、印象に残った「盛岡つなぎ温泉湖山荘(萪内遺跡そば)付近のヒメコウゾの結実<6月26日撮影>」と「岩手県・岩泉町小学校裏の見事なコウゾ(メス)の花<5月31日撮影>」の2枚の写真を載せておく。f0148999_13302726.jpg







   岩泉では、写真を載せた小学校裏以外にも役場近くの雑木林で樹齢5年ほどのコウゾと思われるメスの木が群生していて、花はびっしりと沢山咲いていたが色は淡いピンクだった。
   他方、岩泉小学校裏の樹齢20年ほどのコウゾと思われるメスの木の花は濃い赤ピンク色であった。近接場所で、このように花の色が違うことが印象に残った。花の数も、カジノキではないかと思えるほど木々全体にたくさん花を咲かせていた。f0148999_13313527.jpg






  いずれ東北地方のヒメコウゾ、コウゾのDNA分析が終わると、カジノキとの近縁関係も徐々に判明していくこととなる。



  東北地方の平安時代以来の伝統ある「和紙」、そしてその強靭で薄い和紙を使った「正月飾りなどの切り紙、切子」。その製作「原料植物」のルーツと絡めて、東北の古代技術史を解明していくことにはロマンがある。
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by PHILIA-kyoto | 2013-06-27 13:38 | カジノキ(クワ科)雑記  

大和(奈良)のカジノキ情報を増やしましょう!!

奈良のカジノキ(雌株)が開花していました
 
  京都や東京のカジノキやコウゾの生育場所や開花について、多くの情報がWebにアップされてきたが、なぜか奈良でのカジノキの生息場所や開花の情報は、とんと少ない。

   やっと奈良・平城小学校の近くで、カジノキが数本群生している場所を見つけた。どれもメスの木で、ちょうど5月3日にはどの木にもメスの花(画像参照)がいっぱい咲いているのが確認できた。f0148999_127224.jpg

   大和地方では、カジノキやコウゾを「カゾ、カゴ」と呼び、天の香久山は「カゴの山」だったという説もある。2007年の第59回正倉院展を見た方々の中に、展示されていた「木綿ゆう」は織ったものではなく、タパのように薄く叩き延ばした風合いが見られた…という声もあり、奈良時代の布についてはまだまだ調査研究の余地がありそうだ。

  おそらく、京都に移った有力者たちは、カジノキを取り込んだ文化を開花させていったが、その萌芽は、必ず旧都奈良に存在した、と考える方が自然だろう。

  東京・小石川植物園の大きなカジノキは、5月1日には、まだ葉も花もみられない冬の木の様相であったが、新宿御苑のカジノキはどれもメスの花をいっぱい咲かせていた。上野公園・大灯篭近くのカジノキはどれもオスの木で、狐のしっぽのような雄花が満開であった。この時期、奥多摩の方の、山野のあちこちでみられるヒメコウゾは、メス・オスの花を同じ枝にいっぱい咲かせていた。

  京大系のOBらが多い《雲南研究会》のHPに「樹皮紙」のたくさんのパワーポイント画像がアップされていた。http://www.yunnan-k.jp/yunnan-k/24-20130330/659-20130330-24-04-sakamoto.html ビジュアルに見ていると、様々な古代社会についてのインスピレーションが湧いてくる。
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by PHILIA-kyoto | 2013-05-04 22:30 | カジノキ(クワ科)雑記